管理職とは? 実態から見る管理職の姿。
Posted by ENNA on 2008 年 1 月 31 日
一般的に、企業が考える管理職とはどういう方々かというと・・・
- 年齢が40代以上
- 会社のために頑張ってきた人
- 部長以上
- 時間外手当ては払わなくていい
みたいな感じでしょうか。あくまでもステレオタイプですが・・・。
これらの基準で考えると、管理職とはかなり曖昧なものだなと思うのですが、それぞれに間違いがあって。その間違いを、労働基準法と労働組合法のそれぞれの観点から整理すると以下のような考え方になります。
【労働基準法から考える】
「管理職」と呼ばれる方々について、労基法第41条第2号では、「監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者」(管理監督者等)と呼んでいます。
管理監督者とは、一般的に部長、工場長等労働条件の決定、その他労務管理について経営者と一体的な立場の社員で、肩書きでは判断されず、労働時間等に関する規定を適用することになじまない社員を実態に基づいて判断する必要があります。管理監督者に該当する場合には、労働時間、休憩及び休日に関する規定の適用を受けない労働者として扱われます。
つまり、1日8時間、1週40時間の労働時間の規制や、労働時間が6時間を超える場合の45分の休憩、8時間を超える場合の1時間の休憩の付与、少なくとも週1回の休日を付与する等の規定の適用は除外されています(※深夜残業や年次有給休暇については、除外されません)。
「管理職」がこれに該当するかどうかは、以下の基準をもって判断されます。逆に、それ以外のいかなる条件も関係ありません。加えて、給与面でも、その立場にふさわしい額なのかという点が問題になります。
A 参考となる基準
- 労務管理方針の決定に参画したり、労務管理上の指揮権限を有しており、経営者と一体的な立場にある者
- 秘書、その他職務が経営者等の活動と一体不可分であり、厳格な労働時間管理になじまない者」
- 支社や支店のある会社の本社課長、あるいは独立性の高い支社や工場の長以上の者
- 上記役職と同等の待遇が与えられているスタッフ職にある者
- 一般の従業員より高い給料を得ている者
- ある程度の人事権(推薦する程度ではダメ)を有している者
- 出退勤が自由である者
B 参考とならない基準
- 労働組合との協定により指定された管理職
- 会社が指定している一定以上の役職
- 管理職手当受給者
- 暗黙の了解による一律課長級以上
【労働組合法から考える】
憲法第28条は、勤労者(労働者)の団結権、団体交渉権、団体行動権を基本的人権(労働基本権)として保障しています。「管理職」も労働者ですから、労働基本権が保障されます。
したがって、「管理職」は、労働組合を自ら結成することも、既存の労働組合に加入することもできます。その労働組合は、「管理職」が一般の労働者と一緒の場合でも、「管理職」だけの場合でも構いません。ただし、一定の「管理職」を含む労働組合は、労組法に基づく法的保護が受けられないことがあり、例えば、労働委員会に不当労働行為の救済を申し立てることはできません。
労組法の保護を受けるためには、「法適合組合」である必要があります。
●労組法第2条但書第1号は、以下の者が参加する組合を法に適合しない組合としています。
- 役員(使用人兼務役員を含む)
- 人事に関して直接の権限をもつ監督的地位にある労働者(一般的には、総務・労務・人事部門の課長以上の者)
- 労働関係の計画・方針に関する機密事項に接する監督的地位にあるために、その職責が組合員としての誠意と責任に直接抵触する労働者
- その他、使用者の利益を代表する者
この規定が設けられた理由は、組合の目的を実現するには、労働者が、使用者から独立して自主的に組合を運営できることが大前提と考えられるからです。部分的であっても、使用者の利益を実現する職責にある者が混在することは、その組合活動の自主性を阻害するおそれがあるのです。そこで、これらの混在が問題となる管理職を「上級管理職」と呼ぶことにしますと、「管理職」一般ではなく、「上級管理職」が問題となる訳です。
上級管理職は、以下のようです。
●混在が問題とならない「管理職」
- 総務・労務・人事以外の部門の課長
- 人事に関して補助的・助言的な地位にとどまる者
例えば、総務・労務・人事部門の課長補佐以下の者
*人事に関して直接の権限をもつ者でも、アルバイトのように補助的・臨時的な職務に関する人事権なら、当該人事権者の混在も問題になりません。
*人事や労働関係に関する機密に直接接する上級管理職も、その職務から離れた場合は組合員となることに何ら問題はありません。
なお、上級管理職であっても、その者たちだけで労働組合を結成することに何ら問題はありません。自主性を保った団体であれば、憲法上の組合として、その団結権、団交権、団体行動権について、裁判所を通じた保護がされます。



