「残業代支給は会社の義務」 「労働債権の回収は労働者の権利」
Posted by ENNA on 2008 年 5 月 21 日
日本マクドナルドの店長に対する「時間外手当支給」は、これまでの職務給制度における店長手当て?みたいなものをすり替える制度とのことなので、「残業代を支払う」ではなくって「時間外手当」に相当していたと決めていた「職務手当」の名前を変える。ということのようです。
ということは、店長という役職に対する手当てがないので、マクドナルドは全店舗が責任者不在?になるのかという疑問も出てきたりするわけです。かなり意地悪な見方をするとすればですが。飲食店という観点からすれば、あそこまでの衛生管理がチェーン店全体でできていること自体は驚異的なことなのですけれども。
人事の視点から見たら、単純計算でいけば、過去2年間の時間外手当不払い分として、755万円×2000人=1510000万円(151億円)が労働債権として残っているわけです。未払い残業代を全て認めてしまえば、一瞬で151億円の利益が吹っ飛ぶわけですね。だからやはり裁判とは別に制度変更と言わざるを得ないんです。会社としては役職に対する手当てを払ってきたのだから時間外手当を払っていないという主張は納得できないと言わないと会社が傾きます。
最後に、飲食チェーン店のアルバイト確保はかなり苦戦しているようで、コンサルティング先でも1名採用するのに10万円~15万円のコストがかかっています。でも直に辞められたりして・・・。いつも行く「松屋」さんは深夜1名でお店を回しているし、たまに行く「すき家」さんはWEBでアルバイト募集をしているのに、全店舗社員が業務委託契約(時間外手当を払う必要がない契約)だって言いきっちゃうし、飲食チェーン店は大変な時代です。
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マクドナルド:店長2千人に残業代 総人件費で増減なし
外食大手の日本マクドナルドは20日、管理職扱いで時間外手当(残業代)を払ってこなかった直営店の店長約2000人に対し、8月1日から残業代 を支払う新報酬制度を導入すると発表した。店長など管理職の肩書が付くだけで残業代などが支払われない「名ばかり管理職」の問題は、制度上解消されること になる。
現行制度では店長は管理職扱いで、基本給に店長手当などの職務給、業績による成果給を加えた報酬が支払われているが、残業代は払われていなかっ た。新報酬制度では職務給を廃止し、従来と同額の基本給に加え、成果給と時間外労働手当(残業代)を支払う。総人件費に増減はないという。さらに、この制 度を店長の上司にあたるエリア営業管理職数百人にも適用する。
「名ばかり管理職」問題を巡っては、同社の店長や元店長が「管理職扱いされ時間外手当を支払われないのは違法」として未払い残業代や慰謝料などの 支払いを求めて相次ぎ提訴。東京地裁は今年1月、「未払いは違法」として755万円の支払いを命じた。同社はこれを不服として控訴していたが、企業イメー ジの低下を避けるため、新制度導入に踏み切ることにしたとみられる。
会見で原田泳幸(えいこう)会長兼社長は「報酬制度見直しは訴訟とは関係ない」と控訴を取り下げない意向を表明。労務管理強化に向け、労務監査室 を新設し、現在平均18.3時間の残業時間をゼロにする方針を示した。原田会長兼社長は「日本には遅くまで働くことを『頑張っている』と評価する文化があ るが、社内から意識改革したい」と話した。【望月麻紀】
◇「サービス残業増える」と指摘 労組に不安と不満も
日本マクドナルドの労務制度変更に、店長らが加盟する労組は、残業代支払いを評価しながら、不安と不満も口にした。
労組の若松淳志書記長は「サービス残業がますます増えるのではないか」と指摘する。会見で原田社長は「店長の残業時間は4月時点で(月に)18. 3時間」と数字を挙げ、「業績を上げている店長ほど残業が少ない」と断言した。これに対し若松書記長は「人手不足が進んでおり、アルバイトが足りない時間 は店長がやらざるを得ない。そのまま残業時間として報告すれば能力がないとされる。圧力の中で、正確な労働時間を申告できない人が多いのが実態だ」と話し た。
別の30代の店長は「残業代が出るといっても、職務給がなくなるのでは納得できない。必死で24時間営業を支えている。管理職のプライドと社長は言っていたが、それならプライドの持てる扱いをしてほしい」と訴えた。
残業代の支払いを求めて裁判を闘っている店長の高野広志さんの代理人、(棗、なつめ)一郎弁護士は「今回のような、職務給を丸々残業代に付け替え る方法では賃金低下を招きかねず、労働条件の不利益な変更に当たる可能性がある。残業時間の抑制を掲げているが、アルバイトや正社員の配置を厚くすると か、営業時間を短くするなどの具体的な方策は何も語られていない。効果は期待できない」と厳しい見方を示した。【東海林智】
毎日新聞 2008年5月20日 20時31分(最終更新 5月21日 9時50分)



